【タイ・カンボジア】タイのメディアがAFPやロイターなどの外電を交えて伝えるところによると、タイ・カンボジア国境で11月12日午後、銃撃を伴う小規模な衝突が発生し、両国が互いに非難の応酬を続けている。タイ政府は米国が後押しする和平宣言の履行を一時停止すると表明しており、緊張が再び高まっている。
両国当局によれば、衝突はタイ東部サケーオ県とカンボジア西部バンテイメンチェイ州の境界付近で起きたが、双方の説明は食い違っている。タイ側は、「午後4時ごろ、カンボジア兵がタイ領内に発砲したため、タイ軍は退避し警告射撃を行った」と説明。衝突は10分ほどで収束し、タイ側に死傷者はなかった。
カンボジア側は「タイ兵が民間人に発砲し、5人が負傷した」と述べ、同国フン・マネット首相は自身のSNSに「タイ側の暴力行為を強く非難する。民間人3人が負傷し、1人が死亡した」と投稿した。同国情報省も負傷者とされる映像や写真を公開したが、真偽は確認されていない。問題の集落は、アランヤプラテート郡のバーン・ノーンヤーケーオで、両国が領有権を主張している。
タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相は11月10日、東北部シーサケート県カンタララック郡のカンボジア国境地帯で、タイ兵4人が地雷爆発によってけがしたことを受け、両国の平和宣言の履行を停止すると発表していた。宣言後の両軍合意で実施するはずだった、カンボジア兵捕虜18人の解放も見合わせている。
●タイ・カンボジア平和宣言「履行停止」 国境での地雷爆発を受け
●カンボジア国境でまた地雷 タイ兵4人がけが、1人は右足首失う




















