【タイ】アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は9月29日午前、国会で施政方針演説を行い、新政権の政策課題である「緊急15項目」を示した。注目される憲法改正については、タイ憲法裁判所が必要と判断した国民投票の実施を支持するとした。
観光については、安全および利便性の確保、旅行者・観光客を狙った詐欺への対策、国内旅行の活性化に取り組むと表明。国民生活(家計)支援では、飲食や買い物を対象に政府が出費の半分を負担する 「1人半分(コン・ラ・クルン)」を実施する。エネルギーおよび交通費の引き下げ、国民の債務問題解決、農産物の価格の安定化、中小企業の資金繰り支援なども打ち出した。
環境では、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ)、PM2.5対策、災害警報システムの整備と被災者支援を進める。社会政策では、汚職や違法賭博の徹底取り締まり、法制度改革、宗教保護を掲げた。
下院で最多の議席数を抱えるプラチャーチョン党と合意した憲法改正については、国民投票の実施を支持する考えを表明した。憲法裁はすでに、「3段階の国民投票を経る必要がある」との判断を示している。
アヌティン首相は、やはりプラチャーチョン党との合意で、施政方針演説から4カ月以内に下院を解散することを明言しており、限定的な任期であることから、国家予算案の編成は行わないとした。
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