【タイ】タイ・ホテル協会(THA)が明らかにしたところによると、ソンクラーン(タイ正月、水かけ祭り)が行われるなどタイで最も外国人旅行者の誘致が可能なハイシーズンの(今年の)4月、全国平均のホテル客室稼働率は前月比減の63%にとどまった。雨が増えてローシーズンが始まる5月は52%にとどまるもよう。
地域別にみると、北部が38.7%(前月47.3%)、中部が59.9%(同69.2%)、東部が69.2%(同67.4%)、南部が70.8%(同78.5%)。増えたのは東部のみで、全体的な落ち込みの主因はやはり、タイの治安に不安を感じる中国人旅行者の減少だという。
5月は雨が増えてローシーズンがすでに始まっており、客室稼働率は52%まで下がる見込みで、要の中国人宿泊客は第2四半期平均で前年同期比30%減と予想される。タイ気象庁は先日、5月15日の雨期入りを宣言した。
国内のホテルは宿泊客のつなぎ止めで客室料金を10%ほど引き下げているが、南部リゾートのホテルや4つ星以上の高級ホテルは逆に、5%ほどの値上げを行っているもよう。
THAは、官民連携のイベント、キャンペーン、プロモーションなどの実施が必要とする一方、「マレーシアやベトナムなどの近隣諸国では、観光業界において政策改善、コスト削減、インセンティブ提供などが積極的に進められている」と説明。「タイでも治安や法的制限などの弱点を克服し、サービスの質を高めて量よりも価値に重点を置かなければならない」と訴えている。