旭化成がPTTとの合弁会社を閉鎖、アクリロニトリルなどの製造から撤退

【タイ】旭化成株式会社(本社:東京都千代田区)は11月15日、同社とタイ国営石油会社PTT傘下のPTTグローバルケミカル(PTTGC)が折半出資し、タイ東部ラヨーン県に設立した持分法適用関連会社「PTT旭ケミカル(PTTAC)」を、同日開催のPTTAC株主総会において事業終了および工場設備撤去を決議したと発表した。生産はすでに10月末に終了、販売も12月末に終了するという。

 PTTACは2006年、プロパン法アクリロニトリル(AN)、ACH法メチルメタクリレート(MMA)、硫安の製造販売会社として設立された。東南アジア顧客向けの製造拠点として事業を継続してきたが、2022年頃より経済環境の低迷長期化や原料コスト上昇による競争力低下に加え、中国での生産能力の増強を背景とする需給環境の悪化によって厳しい業績状況に陥っていたという。PTTGCとの協議の結果、PTTACが今後健全に事業を継続していくことは困難と判断、同合弁事業を終了することで合意した。

 旭化成は自社のホームページで、生産を10月31日に終了したこと、販売も12月31日までに終了して工場設備を2025年から2028年にかけて撤去していくことを公表。同撤退に伴い、今年度に発生する費用は、2025年3月期第2四半期決算発表(2024年11月1日公表)の「2025年3月期の連結業績予想」にすでに織り込み済み。

 ANは一般的に繊維や樹脂の原料となる液体のモノマーで、主にABS樹脂の主成分の一つとして電化製品などに広く使用。PTTACが製造するプロパン法ANは従来のプロピレン法とは異なり、プロパンから直接製造する同社独自の技術。また、MMAは主にアクリル樹脂の原料として使われるモノマーで、PTTACではAN製造過程に副生される青酸を主な原料として製造していた。

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