トランプ米大統領、東南アジア3カ国と貿易・重要鉱物協定に署名

【タイほか】タイのメディアがロイター電として伝えるところによると、トランプ米大統領は10月26日、マレーシア・クアラルンプールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に合わせ、タイ、マレーシア、カンボジアの首脳と相次いで協定に署名した。中国によるレアアース輸出の規制強化を背景に、供給網の多角化と貿易不均衡の是正を進める狙い。

 米国と3カ国は、関税・非関税障壁の是正に取り組むことで一致。ホワイトハウス発表によれば、米国は3カ国からの大半の輸入品に対し、19%の関税率を維持する。タイ・マレーシア両国とは、レアアースを含む重要鉱物の供給網の多様化で協力することで合意。マレーシアは米国向けの重要鉱物・レアアース輸出について、禁止や割当を行わないと約束した。ただ、対象が原鉱石か精製品かは明示されていない。

 マレーシアは推定1610万トンのレアアース埋蔵量を有するが、資源流出を防ぐため原鉱石の輸出を禁じており、国内での精製・加工産業の育成を進めている。今回の合意では、米国製の化学品、機械、乗用車、乳製品、鶏肉など農産品に対し、優遇的な市場アクセスを提供することも盛り込まれた。さらに、ハラル認証で国際的に知られるマレーシアは、米国製化粧品や医薬品の認証手続きを簡素化する方針を示した。

 タイは米国製品の約99%にかかる関税を撤廃することで合意。工業製品から農産品まで幅広い分野が対象となる。

 米国とカンボジアは、相互関税率を19%に引き下げる。カンボジアは米国からの輸入品に対する関税を原則0%とする政令を発表しており、両国間の貿易自由化が大きく進む。

写真:Anutin FCフェイスブックより

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