【タイ】タイ国軍は、カンボジアとの国境に設置を計画している安全フェンスの設計概要を公表した。両国間で発生した武力衝突を受け、緊張が高まる中での措置となる。
パナー・クレ―オプロートトゥック陸軍司令官やウクリット・ブンタノーンタット国軍司令官らが、タイ王室のジュラポーン王女に報告、設計図を提出した。計画によると、フェンスは高さ3.5メートルで、下部はプレストレストコンクリート(PC)、上部は亜鉛メッキ鋼格子に有刺鉄線を組み合わせた構造となる。強行突破やよじ登り、地下からの侵入にも耐えられる設計だという。
建設費は明らかにされていないが、複数の報道によればフェンス単体で長さ1キロ当たり736万バーツ(3400万円相当)、巡回用の未舗装道路を併設する場合は860万バーツ程度と見込まれる。
資金の詳細は未公表だが、ジュラポーン王女が設立した「ハタイティップ基金」が中心的役割を担うとみられる。同基金の公式アカウントは「全国民からの寄付を集め、国境の安全確保を加速させる主要な仕組みとなる」と説明している。
タイとカンボジアの陸上国境は全長798キロに及ぶ。第1期工事は、国境標識52番から59番までの区間(東部チャンタブリー県ポーンナームローン郡)の8.4キロで実施される予定で、同区間の境界画定はすでに完了している。
画像:กองทุนหทัยทิพย์ (Hataitip Fund)フェイスブックより