【タイ・カンボジア】タイの複数メディアが報じるところによると、カンボジアのフン・マネット首相は9月7日、タイの新首相に就任したアヌティン・チャーンウィーラクーン氏を称え、両国関係の修復に向けた協力を呼びかけた。アヌティン首相への期待と共に、タクシン・チナワット元首相に対する暗黙の批判を含むとみられる。
マネット首相は祝賀書簡の中で、「貴殿の圧倒的な勝利は、その卓越した指導力に対する国民の強い信頼の表れである」と述べ、「貴殿の賢明かつ有能な指導の下、タイ王国はさらなる発展を遂げると確信している」と期待を示した。
また、両国は同じアセアン加盟国の隣国同士だと強調。「友好関係と協力構築に向けた共通の意思をもって、両国民が繁栄して調和と喜びの中で共に歩むことを心より願っている」と述べた。さらに、「この精神に基づき、両国関係の正常化、相互信頼の再構築、国境地帯を平和・協力・開発・共栄の場へと変えていくため、貴殿と緊密に連携してゆけることを楽しみにしている」と締めくくったという。
これに対してアヌティン首相は、「双方の損失を最小限に抑えるため、平和的解決を追求する」と述べる一方、「タイ領土を一平米たりとも譲ることはない」と強調した。
マネット首相の父親であるフン・セン元首相との長年の関係をこじらせたタクシン元首相は9月5日未明、ドバイに向けて出国。本人が約束した7日までの帰国が守られるかは不透明な状況で、このまま再び海外逃亡の生活に戻る可能性もある。フン・セン元首相のこれまでの言動は、タクシン元首相の失脚を意図したものとも読み取れる。
写真:Hun Manetフェイスブックより