【タイ】大麻解禁の立役者であるアヌティン・チャーンウィーラクーン氏が新首相に就任することにより、タイの大麻産業が再び活気づくとみられる。前政権が街中の大麻販売店に対する厳格な管理に乗り出していたが、アヌティン政権が誕生したことによって新たに緩和されることになり、「大麻を再び麻薬に分類する動きは起きにくい」と見る向きがほとんどだ。
タイ保健省は2022年6月9日、大麻(一部除外)を麻薬処罰法に定められた「第5種麻薬」から除外する告示を発表、栽培および利用を合法化した。当時のアヌティン保健相がごり押しした形だ。
大麻は当初より「医療目的」のみ許可されていたが、反対意見が多かったことから法制化できず、告示が出たままの中途半端な状況が続いた。さらに、販売者(販売店)が目的を拡大解釈した上、当局の指導も甘かったため、娯楽要素を多分に含んだ販売店を増やす結果となった。
今年6月26日、タイ保健省が新たな規則を告示し、娯楽目的の販売を禁止した。これにより販売店の数は減少したものの、十分な管理には至らなかった。
アヌティン新首相は、大麻の娯楽利用に対しては規制を強化すべきとしているが、解禁自体は継続する立場を明らかにしている。内外のメディアから就任早々、「大麻首相」「大麻政権」と呼ばれたが本人は意に介さず、首相就任翌日には、次期閣僚候補との会合に大麻柄のシャツを着て現れた。