【タイ】国家汚職防止委員会(NACC)は、外国人犯罪ネットワークによるタイ身分登録制度を不正利用した国籍取得が相次いでいるとし、4つの典型的な手口を公表した。
1)未利用の身分記録の乗っ取り:死亡届が出されていない子ども、身分証未取得者、行政手続きができない高齢者など、長期間動きのない記録を探し出し、仲介業者が外国人に名義を売る。内務省の戸籍・住民登録を扱う部署など、特定の職員のみデータベースにアクセスできるため、内部協力が疑われる事案がある。
2)外国人向けピンクカード制度の不正利用:(山岳民族や少数民族をはじめとする)タイ国籍を持たない住民を登録する「黄色の家族台帳(外国人用住民票)」に外国人名を不正に記載し、婚姻や山間部での居住を理由に申請を通す。ここで得られる「ピンクカード(外国人向け身分証)」や登録住所が金融取引や会社設立に利用される事案がある。
3)偽の出生情報による国籍取得:「中国人ベビー集団」と呼ばれる組織が、虚偽の出生情報を行政システムに入力したり、医療機関と共謀して本来の子どもと異なる出生証明書を発行させたりして、タイ国籍を取得させる。今年5月には東北部で出生登録の偽造が発覚し、50人分が抹消された。
4)複数の身分記録を重複取得:1人で複数の身分を作り分け、別人として行動することで金融取引や企業活動に利用する。
汚職防止委は、こうした書類も形式上は真正であるため、不正作成が見抜かれないことがあると指摘。政府職員が関わるケースもあり、「国家安全保障上の脅威になり得る」と警告した。内務省、入国管理局、医療機関、銀行の記録を一元化し、矛盾を自動検知する中央データベースの構築が不可欠だとしている。
●タイでの子どもの国籍取得、父母が外国人の場合は本人出頭義務
●タイ東北部で虚偽の出生登録 内務省が50件を抹消 中国人が関与



























