タイ運輸相、スワンナプーム空港の検査は「甘くない」 乗務員への優遇措置は廃止へ

【タイ】ピパット・ラチャキットプラカーン副首相兼運輸相は、タイ国際航空(THAI)の客室乗務員がオーストラリアでヘロイン密輸容疑によって逮捕された問題を巡り、スワンナプーム空港の検査体制が「緩い」との指摘を否定した。そのうえで、乗務員への従来の「職業上の便宜」を廃止し、一般乗客と同水準の厳格な検査を実施する方針を示した。

 事件は6月25日、メルボルン空港に到着したタイ国際航空の女性乗務員(26)がオーストラリア連邦警察(AFP)に拘束されたもの。乗務員のトートバッグ12個の内張りからヘロイン1キロ超が見つかり、同国で密輸および所持の容疑で訴追されている。AFPは、国際線の乗務員など「信頼される内部関係者」を犯罪組織が利用するケースが続いていると警告している。

 ピパット運輸相は、「空港検査は爆発物検査と麻薬探知犬の組み合わせで行われているものの、改善の余地はある」と認めた。「検査が甘いということは、システムが機能していないことになる。安全と麻薬対策の検査は通常どおり継続している」とも強調。必要に応じて新たな技術や機器の導入を検討すると述べた。缶詰など食品に偽装して薬物を隠す手口もあるため、内部まで確認できる高度な検査技術が必要だとした。

 そのうえで、これまで操縦士や客室乗務員に対しては「同業者としての礼遇」があり、麻薬探知犬による検査が一般乗客ほど徹底されていなかった可能性にも言及。今後は乗務員も一般乗客と同様の厳格な検査を受けるべきだとした。

 タイ人旅行者への影響については、「タイ人だけが特別に厳しくなるわけではない。各国の空港では到着時に麻薬探知犬による抜き打ち検査が行われるのが通常」と述べた。ただ、タイ国際航空(THAI)のラワロン・セーンサニット会長(財務省事務次官)は、「オーストラリア便の乗務員に対する審査が厳格化される見通しで、一般のタイ人渡航者にも影響が及ぶ可能性がある」と述べている。

 オーストラリア便の運航停止などの措置については「まだ決まっていない」とし、タイ国際航空、タイ空港公社(AOT)、タイ民間航空訓練センター(CATC)に対し、手続きの強化を指示する考えを示した。

 ピパット運輸相は、今回の事件がタイ国際航空やタイの国際的信用に影響するとの見方について、「タイは国際基準に従っており、信頼は損なわれていない」と述べ、豪州がTHAI便を禁止する可能性は低いとの認識を示した。一方、ラワロンTHAI会長は、「今回の事件はタイ国際航空の企業イメージだけでなく、タイという国の評価にも悪影響を及ぼす」と懸念を示している。

タイ麻薬取締委員会事務局、タイ航空CAの住居や実家を捜索 メルボルンでのヘロイン密輸で
タイ国際航空が乗務員規定の見直しへ 同社CAのヘロイン密輸で「国のイメージにも打撃」
【更新:CAはタイ国際航空】タイ人客室乗務員、豪メルボルン空港で逮捕 ヘロイン1キロ密輸

写真:พิพัฒน์ รัชกิจประการ Phiphat Ratchakitprakarnフェイズブックより

関連記事

トピック

ページ上部へ戻る