タイ進出日系企業の業況感、2026年下期は「マイナス7」の見通し バンコク日本人商工会議所調査

【タイ】バンコク日本人商工会議所(JCC)が2026年5月12日から6月5日にかけて実施した「JCC2026年上期日系企業景気動向調査」の回答結果がまとめられ、6月30日に記者発表された。前期比で業況が「上向いた」から「悪化した」を引いた業況感DIは、2025年下期実績「0」、2026年上期見通し「マイナス6」、2026年下期見通し「マイナス7」だった。回答企業数は504社。

 2026年1月発表の調査では、2025年上期実績「マイナス4」、2025年下期見通し「マイナス12」、2026年上期見通し「プラス1」だった。今回の調査では製造業で、繊維(26上=▲50、26下=▲29)の見通し悪化が目立ったが、2026年上期では食料品(26上=7、26下=0)、一般機械(26上=8、26下=▲12)など、上向きの見通しも見られた。非製造業では、小売(26上=▲33、26下=▲44)、金融・保険・証券(26上=▲20、26下=▲17)、建設・土木(26上=▲22、26下=3)など、やはり見通し悪化が目立った。建設・土木の2026年下期見通しの改善は、タイ政府主導のデーターセンター投資誘致による建設の見込みとされる。

項目別の調査結果

 設備投資は2026年度、「投資増」を見込む企業は全体の23%、「横ばい」は48%、「投資減」は16%。

 2026年下期(7~12月)の輸出動向は、「増加」を見込む企業は全体の37%、「横ばい」は42%、「減少」は21%。

 足元の経済状況を踏まえて事業運営上望ましいと考える為替レートは、バーツ/ドルで「30.0以上30.5未満」のレンジに入る回答が27.4%となって最多だった。次いで「32.0以上32.5未満」で19.5%。中央値は製造業・非製造業とも「32.0」。

 円/バーツでは、「4.0以上4.1未満」のレンジに入る回答が全体の27.1%を占めて最多。次いで「3.5以上3.6未満」の17.8%となった。中央値は製造業・非製造業とも「4.0」。

 経営上の問題点として挙げられたのは、複数回答の合計で「原材料価格の上昇」で、65%の最多となった。前回調査では5番目だった。次いで「他社との競争激化」で58%、「国内需要の低迷」で57%だった。4番目は「物流コストの上昇」で、前回調査の11番目から急上昇した。

 タイ政府への要望としては、複数回答の合計で「イラン情勢への対応(価格安定、供給確保)」が全体の33%を占めて最多、次いで「税還付及び税務調査関係の改善(還付手続きの複雑さや担当官による運用の違いなど)」の31%、「家計債務問題」の30%となった。ここでの家計債務問題は主に「B to C」が対象。

 日系企業が最近改善したと考える事項は、複数回答の合計で「行政手続きの電子化」が全体の21%を占めて最多。以下、「交通インフラの整備」の14%、「金融政策の安定化(為替、金利)」の13%と続いた。

 地政学上の不透明性について、特に米国の関税政策の不透明性による影響についての質問では、「ほとんど影響がない」との回答が全体の42%を占めて最多だった。次いで、「ある程度影響がある」が39%、「大きな影響がある」が8%となった。

 その対応策に関しては、複数回答で「必要性を感じていない」が37%と最多だった。次いで、「特に取り組んでいないが、必要性を感じている」が25%、「政策動向の情報収集・分析体制の強化」が19%となった。「米国に生産拠点を移す」と回答した企業が2社あった。

 タイ政府に期待する支援策については、複数回答で「税制・補助金・金融措置による支援」が29%で最多。次いで、「国内での販路拡大支援」が26%、「FTAの推進など第三国への販路開拓支援」が24%となった。

 イラン情勢に関する不透明性について、特に原油価格や物流コスト、物流の停滞を通じた影響については、「ある程度影響がある」が全体の47%を占めて最多だった。以下、「大きな影響がある」が42%、「ほとんど影響がない」が8%だった。

 その対応策に関しては、複数回答で「原材料のエネルギー調達先の多様化」が46%となった。次いで、「エネルギーコスト上昇への対応策」が41%、「在庫・物流体制の見直し」が36%だった。

 タイ政府に期待する支援策については、複数回答で「エネルギー価格上昇に対する価格抑制策」が78%で最多。次いで、「物流コストや輸送遅延によるコスト増に対する税制・補助金・金融措置」が51%、「エネルギー安定供給の確保」が46%となった。

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