【タイ】バンコクで元カンボジア国会議員を射殺し、カンボジアに逃走した元タイ海軍軍曹が1月12日、身柄をタイに戻された。警察によるその後の取り調べで、暗殺を6万バーツ(30万円弱)で請け負ったことが分かった。
元軍曹は警察の取り調べに、「依頼人は生活に困ったときに支援してくれた『恩人』。犯行の動機は『恩義』、決意に1日かかった」と供述したという。警察はこの恩人が民間人であると発表したが、国籍については明かしておらず、逮捕対象になるかどうかは現時点で未知とした。元軍曹はまた、暗殺対象者の当日の行動を逐一伝えてきた人物との面識はないと答えている。現場での犯行再現は、身の危険があるとして拒否したという。
事件はバンコク都プラナコーン区の寺院、ワット・ボウォーンニウェート近くで1月7日夕方に発生。路線バスから下りたカンボジアのリム・キムヤ元国会議員(74)を、元軍曹がバイクで近づいて射殺し、その日のうちにカンボジア方面に逃走した。翌8日夕方、同国バッタンバン州で地元警察とタイ警察の合同捜査班によって取り押さえられた。