【タイ】タイ警察は11月21日、西部ラーチャブリー県ジョームブン郡でロマンス詐欺の実行犯の女(48)を逮捕したと発表した。女は外国人男性になりすまし、ほかのタイ人女性から230万バーツ(1000万円相当)をだまし取っていた。
ロマンス詐欺を始めたのは2023年10月22日で、「Stephen Wog」という名前でフェイスブックの友達のタイ人女性に連絡、その後ラインに切り替えてやり取りを続けた。やがて、「荷物の郵送に問題が起きた、航空貨物で送れない」などという口実で、取り敢えずの費用を送ってほしいと被害者女性に依頼。だまし取った額は229万バーツに達した。被害女性は最近になってようやくおかしいことに気づき、警察に相談した。
逮捕された女は警察の取り調べに対し、「自分も最初は騙されていた」と話しているという。女の話によると、オンラインギャンブルで外国人の男と出会い、最初の2週間は恋人同士のような会話を続けていた。女はその男に金銭をねだれるのではないかと思い、「家を建てたいからお金を送ってほしい」と話したところ、送金のための実名、住所、銀行口座番号が必要との返事を受け、信用して伝えたところオンラインギャンブルの口座(マネーミュール口座)が開かれてしまい、手数料の4000バーツを巻き上げられていた。その外国人の男も詐欺のコールセンターの一味だった。
警察は慎重に捜査を進めるとしつつ、逮捕された女がだまし取った230万バーツもマネーミュール口座に振り込まれていて、本人が現金を手にしていなかったとも見ている。警察は「最初の2週間は必ず、ロマンスを感じる関係が続く。ただその後の展開で詐欺と気づくべき」と注意を促している。
写真:POLICE News Varieties