【タイ】タイで現在、出国するタイ人と外国人の双方を対象とする1回1000バーツ(5000円相当)の海外渡航税の導入が支持されている。航空券代金に上乗せして徴収し、税収は国内観光振興などに充てる方針だが、外国人向け入国料の導入構想も進んでおり、外国人旅行者への負担増につながるとの懸念が出ている。
海外渡航税は、国内旅行支援策「旅行1人半分(ティオ・コン・ラ・クルン)」の財源に充てるための復活案で、議論を重ねるうちに本格的な導入案に発展。財務省国税局が10月29日まで、「海外渡航税法案」に関する意見公募を実施している。法案は検討段階にあり、導入には法制化が必要となる。財務省は、法案で1回当たりの上限額を5000バーツとしていることに懸念の声が出ていることについて、「現在の経済状況を考えれば1000バーツ程度が適切」と説明。「5000バーツは法定上限額であり、実際の導入額を示すものではない」としている。
法案では、旅行者がタイを出国するたびに課税し、具体的な税額は省令で定める。徴収は航空会社や旅行代理店が航空券販売時に行う方式を想定しており、空港で別途支払う必要がない仕組みを目指している。
タイ人だけでなく外国人にも適用することに関しては、「誰もがタイの資源やインフラを利用している」とし、国際的な原則にも合致すると説明。ただ、観光スポーツ省が外国人入国者からの入国料(入国税)の徴収を検討しており、現在は450バーツ案を中心に進んでいる。税収は観光インフラ整備や外国人旅行者向け保険制度の財源に充てる構想で、タイデジタル入国カード(TDAC)を利用したオンライン徴収を有力案としている。
財務省は今回の海外渡航税について、「観光スポーツ省が検討している入国料構想との重複を避ける必要がある」とも発言している。そもそも、タイは2007年以降、国籍を問わず全ての出国者から出国税(Departure tax)700バーツを徴収している。
タイは1981年、海外への資本流出抑制を目的とし海外渡航税(海外旅行税)の徴収を開始。陸路、海路、空路を問わず海外へ渡航する人が対象だったが、空港や国境の専用窓口でクーポンを購入する方式だったため徴収効率が悪く、その後廃止された。
今後は意見公募の結果を踏まえ、徴収システムや関係機関の準備状況、出国者統計などを検証した上で制度設計を進める。
●タイの外国人入国料、300バーツから450バーツへ 2027年初めに徴収開始
●海外渡航者から1000バーツの徴収か? タイ国内旅行促進の財源に
●出国税に加えて海外渡航税? タイ国税局が復活導入検討


























