タイ砂糖業界、エルニーニョ強化で減産懸念 干ばつで価格上昇の可能性

【タイ】砂糖輸出で国内3位のコーンケーン・シュガー・インダストリー社(KSL)がタイのメディアに語ったところによると、スーパー・エルニーニョによる深刻な干ばつでサトウキビ農園が被害を受け、2026〜27年度作柄は減産が避けられない見通しだ。太平洋の海面水温が異常上昇してタイにも極端な降雨不足を招き、農業全般に深刻な影響を及ぼす可能性が高い。

 KSLは、「サトウキビの植え付けが始まったばかりだが、雨は2週間以内に止んでしまう」とみており、政府に対して水不足への緊急対策を準備するよう求めている。サトウキビ農家がより高値で取引されるキャッサバへの転作を検討する可能性があり、栽培面積が縮小する恐れがあると指摘。2026年4月〜2027年3月のサトウキビ生産量は、前年度実績の1億600万トンから1億トン弱まで減少すると予測している。タイのサトウキビ栽培面積は1100万〜1200万ライ(1ライ=1600平方メートル)に及ぶ。

 世界市場では、干ばつによる減産や主要生産国の輸出減などによる供給不安から、砂糖価格の上昇が見込まれる。KSLは2027年の国際価格が1ポンドあたり17セント程度になるとの予測している。ブラジルは中東の紛争長期化で原油価格が上昇する中、サトウキビをエタノール向けに振り向けるとされる。インドは国内消費を優先するため砂糖輸出を禁止していると伝えられる。

 砂糖価格はすでに1ポンドあたり16セントまで上昇しており、前年の14セントから値上がり。KSLはタイの製糖会社に対し、輸出ペースを抑えて在庫を積み増し、減産に備えるよう助言している。製糖工場の操業期間(圧搾期)は100〜130日で、2026年12月から2027年3月までの予定。全国57工場が農家からサトウキビを購入する。KSLは前作で840万トンを買い付けた。

 KSLはまた、タイ・カンボジア国境の緊張緩和を受け、東部サケーオ県の第5工場を再稼働すると発表した。年間50万〜60万トンの処理能力を持つが、国境付近の農園には紛争で不発弾が残されている心配があるという。

タイのサトウキビ畑 写真:newsclip

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