タイ王室系複合企業SCG、中国との協業を模索 中東情勢長期化で産業コスト高止まりの懸念

【タイ】タイのメディアが伝えるところによると、タイ王室系複合企業サイアムセメント・グループ(SCG)は、中東での戦闘が長期化すれば世界的なエネルギー価格の上昇や原材料供給の混乱を招き、事業運営に深刻な影響を及ぼす恐れがあるとの警戒感を示している。原油やナフサなど石油化学原料を含む世界のエネルギー価格に、依然としてリスクがあるとした。

 タマサック・セータウドム最高経営責任者(CEO)は、情勢不安が9月まで続けば世界の原油備蓄に影響し、各産業の操業コストが上昇する可能性があると述べた。米国とイランが敵対行為終結を目指す覚書に署名した直後の発言で、「和平交渉はまだ最終合意に至っていない」と指摘している。

SCGはすでに供給網の混乱による影響を受けており、原材料の輸送制限によって東部ラヨーン県のオレフィン工場およびベトナムの石油化学施設「ロンソン・ペトロケミカルズ(LSP)」が操業の一時停止を余儀なくされた。これらの施設は今年第3四半期もしくは第4四半期に再稼働させる見込みだという。

 リスク分散のため、SCGは原材料の調達先を多様化しており、現在では輸入原料の半分以上を中東以外の地域、主にアメリカやアフリカから確保している。オレフィンやナフサ系誘導品などの石油化学製品および関連素材で中国企業との提携を加速し、同国市場への進出も模索。同社は「中国製品は東南アジア市場のおよそ2割を占め、SCGを含む域内メーカーとの競争が激化している」と説明している。

 タマサックCEOは、「同社グループは中国企業との協業を進め、製品を中国に輸出したい」と発言。タイ、ベトナム、インドネシアに展開する同社の製造拠点が、中国企業にとって東南アジア進出の足掛かりになると強調した。

タマサックCEO 写真:SCGホームページより

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