モーターエキスポ2025、予約台数38%増の7万5千台 実際の販売に結びつくかは不透明?

【タイ】11月28日〜12月10日に開催された、タイで最大規模を誇る自動車・自動二輪の展示販売会「第42回タイランド・インターナショナル・モーターエキスポ2025」で、主催者のインターメディア・コンサルタントは、受注台数が前年比38%増の7万5246台だったと発表した。電気自動車(BEV)の受注は乗用車全体の半数を占めた。

 受注が大幅に伸びた背景として、2025年末で終了するEV補助金「EV3.0」と、2026年から導入される排ガス量に応じた自動車物品税の新制度により、内燃(ICE)車もBEVも駆け込み需要があったとされる。

 トップのトヨタは前年の8297台から1万872台に大きく伸ばしており、中国勢の値下げに対抗した積極的なプロモーションが奏功したもよう。「中国勢の大幅値引きが、他社を巻き込んだ値引き合戦を引き起こした」という声も聞かれたという。二輪車の受注は5263台で、前年比34%減と低迷した。

 乗用車の受注構成は、ICE・ハイブリッド(HEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)が50%、BEVが50%。車種別ではスポーツ用多目的車(SUV)が58.4%と最も多く、乗用車(セダン・ハッチバック)が27.8%、多目的乗用車(MPV)が7.6%、ピックアップトラックが4.5%、その他1.7%だった。

 平均販売価格は、乗用車が112万2347バーツ、二輪車が17万7637バーツ。経済波及効果は700億バーツと推計されている。

 ただ、受注増はあくまで「購入意向の表れ」に過ぎないという見方が少なくない。厳格化が続く自動車ローン審査や市場全体の価格競争による消費者心理の不安定さを踏まえると、今回の予約が実際の販売や登録台数にどれだけ結びつくかは不透明だという。

 会期中の来場者数は延べ152万1296人。会場アプリのダウンロード数は4万5298件、オンライン視聴は202万8044回だった。

予約台数順位
1:トヨタ(1万872台)
2:ホンダ(6278台)
3:BYD(6212台、主催者算出値)
4:OMODA & JAECOO(5217台)
5:GAC(5019台)
6:GEELY(4831台)
7:MG(4827台)
8:GWM(4609台)
9:DEEPAL(4586台)
10:三菱自動車(2988台)

写真:インターメディア・コンサルタント

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