【タイほか】コーヒー豆販売の株式会社坂ノ途中(本社:京都府京都市)が、タイ、インドネシア、パプアニューギニアでのコーヒーサプライチェーンの脱炭素化のためのGXモデル構築調査事業で、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に採択された。同生産国における、コーヒー栽培から輸送までのサプライチェーン全体の環境負荷を可視化し、温室効果ガスの排出削減と所得確保の両立を実現する。
小規模実証・FS事業に採択された同社の海ノ向こうコーヒー事業部は、東南アジアを中心に、日陰を好むコーヒーの特性を生かして森を守りながら農作物を育てる「アグロフォレストリー」を推進。産地での栽培サポートから、輸送、販売にまで携わり、現地で暮らす人々の雇用確保も含めた持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいる。
その一環として実施する今回の調査では、ライフサイクルアセスメント(LCA)分析を行うことで、生産、加工、輸送の各工程で排出される二酸化炭素量を可視化し、排出要因を特定。実地調査で資材利用や廃棄物処理の方法、エネルギー消費の実態を把握し、コーヒーサプライチェーンのどの過程で、どのようなGXモデルが必要とされるのかを明らかにしていく。
アグロフォレストリーに加え、有機肥料の活用やバイオ炭の施用、コーヒー残渣の再利用など、環境負荷を低減する技術的施策を検討し、パイロット実証を進めていく。
こうした調査を通じて実現可能なGXモデルを構築し、将来的にほかのコーヒー生産地域への展開も見据えている。2025年12月には欧州森林破壊防止規則(EUDR)が適用開始となるなど、森林破壊や生物多様性の損失への国際的な関心が高まる中、栽培から輸送までの各工程の最適化を図ることで、持続可能なコーヒー生産の実現を目指す。
令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)特設HP:
https://gs-hojo-web-fspoc.jp/index.html
海ノ向こうコーヒー:https://uminomukou.com/
坂ノ途中:https://www.on-the-slope.com/corporate