【タイ】タイ中イベント「サワディー你好(ニーハオ)」が5月29日、バンコク都内セントラルワールドのバンコク・コンベンションセンターで開幕した。タイ中国交樹立50周年を記念するもので、6月1日まで続く。
開会式にはペートーンターン・チナワット首相が出席、中国に向けて「タイの安全性」を改めて強調した。「このイベントがタイ中の持続可能な観光振興の道筋となる」と述べると共に、「単なる観光ではなく、友情を分かち合ってお互いの文化を知るための旅であり、私たちは笑顔と温かさで交流できる間柄」と訴えた。
タイへの中国人旅行者は、年明け1月にミャンマー国境で起きた中国人俳優の拉致事件をきっかけに急減。ペートーンターン首相が中国語でメッセージを伝えるAI動画を制作し、旅行者の呼び戻しを図ったが、反応は乏しかった。その後3月に地震が発生、タイの建物の安全性が不安視されることになり、中国人が戻ってくる期待はさらに薄まった。
観光スポーツ省などは「欧米からの来タイが好調」とし、ターゲットを中国から欧米諸国にシフトする素振りを見せている。しかし本音では、経済的にも外交的にも深い関係にあり、絶対的な分母が大きい中国からの旅行者を諦めきれないというのが、もっぱらの見方だ。
写真:ペートーンターン首相フェイスブックより