【タイ】バンコク有数のレストラン街「バンタット・トーン通り」の飲食店の売り上げが、今年に入って下がり始め、昨年の同時期と比較して平均40~50%減、店によっては70%減まで落ち込んでいるという。通り一帯の店舗を取りまとめる「バンタット・トーン協会」が明らかにした。
バンタット・トーン通りはこの数年で飲食店が一気に増えた、都心部パトゥムワン区を南北に走る道路。チュラーロンコーン大学の裏手にあることから、同大学生を中心に若者からの人気を集めている。外国人旅行者にも知られる存在で、特に中国人旅行者の利用が多い。
最近の売り上げの減少は、国内消費の低迷で地元タイ人の足が遠のき、加えて中国人旅行者がタイ自体を避けてしまっていることが主な原因。2024年の来客数は1日当たり1万~3万人で、うち外国人は20~30%、そのほとんどが中国人だったという。
ただ、閉店に追い込まれる店舗は全体の2、3%にとどまっているようで、家賃、経費、食材などは年5%ずつ上がっているものの、もともとの家賃が低く抑えられているため、経営はしやすいという。同協会によると、店舗の80~90%がチュラーロンコーン大学から直接物件を借りており、平均賃料は1平米350バーツに留まる。バンコク都内のショッピングモールの賃料は1平米700~1000バーツ、ガソリンスタンドの小売スペースのそれは1平米600~800バーツ。
同協会は今後、1食当たりの予算が100~250バーツという現在の若者層から幅を広げ、あらゆる年齢層の利用客を増やしていきたいとしている。