タイのタマサート大学、ビードットメディカルの超小型陽子線がん治療装置導入

【タイ】医療機器スタートアップのビードットメディカル(東京都江戸川区)は2月7日、同社が開発した超小型陽子線がん治療装置の導入に向けた基本合意書をタイの国立タマサート大学と締結したと発表した。

今回の基本合意は医療機器卸し大手のオルバヘルスケアホールディングス(岡山市)との販売提携で実現した。オルバヘルスケアは1月にタイ法人タイオルバヘルスケアを設立し、タイを中心としたASEAN(東南アジア諸国連合)で医療機器事業を展開する。

2024年に創立90周年を迎えるタマサート大学は、この節目に大学内に新たな病棟の開設を計画しており、ビードットメディカルとオルバヘルスケアによる陽子線治療の導入はその目玉となる大規模プロジェクトだ。

東南アジアでは近年、国民所得が上昇し、先進的な医療を取り入れる機運が高まっている。特にタイは2000年以降、社会保障制度の改革によって国民の医療環境が変化すると同時に、経済成長によるがん罹患者数が急増し、最先端がん治療へのニーズが高まっている。一方、タイは総人口の約5分の1が首都バンコク周辺に集中し、首都圏の人口密度が非常に高いことから、従来の大型な陽子線治療装置を設置するスペースの確保が困難で、2023年現在、国内に陽子線治療施設は1カ所しかない。ビードットメディカルの超小型陽子線がん治療装置は都市部にも設置できる世界最小クラスで、今回の導入に至った。

陽子線治療は体内深部にある腫瘍をピンポイントで正確に照射するため、腫瘍周囲の正常な組織や臓器へのダメージが少なく、副作用を低く抑えることができる。ただ、装置が巨大で高額なため、導入済みの施設は世界で111施設(2020年時点)しかない。

ビードットメディカルは国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所発のスタートアップ企業。従来に比べ圧倒的にコンパクトな超小型陽子線がん治療装置を開発し、X(エックス)線治療装置と同程度のサイズにまで小型化した。

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