豪キングスゲート、タイ金鉱の操業再開へ 軍政命令で16年に閉鎖 

【タイ】オーストラリアの鉱山会社キングスゲート・コンソリデーティッドは17日、2016年末にタイ軍事政権の命令で閉鎖されたタイのチャートリー金鉱の操業再開をタイ工業省が承認したと発表した。

 21日には、チャートリー金鉱の採掘事業がタイ投資委員会(BOI)から優遇税制などの投資恩典を取得したと発表した。

 キングスゲートはタイ北部のピジット県とペチャブン県にまたがるチャートリー金鉱の採掘事業権を取得し、2001年に生産を開始した。年間の生産量は3.5~3.8トンほどだった。周辺の一部住民と環境保護団体が採掘による環境汚染を主張し、2016年末、当時のプラユット軍事政権が金鉱の閉鎖を命じた。

 キングスゲートは2017年、閉鎖は違法として、タイ豪自由貿易協定(FTA)に基づき仲裁を申し立てた。タイ政府は巨額の損害賠償を懸念し、キングスゲートとの交渉に応じたが、話し合いが長引いていた。

 プラユット首相は今月20日に議会下院を解散し、5月14日に下院総選挙が行われる。タイ政府は解散総選挙のどさくさに紛れてチャートリー金鉱の操業再開を承認した格好だ。

チャートリー金鉱(写真提供、タイ工業省)

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