セーター首相解任も タイ憲法裁が訴え受理

【タイ】タイ憲法裁判所は23日、議会上院の議員40人がセーター・タウィーシン首相(62)の解任を求めた訴えを受理した。判事9人のうち6人が受理、3人が不受理とすべきという意見だった。判決を下すまでの間、首相を停職すべきかどうかについては、5対4で停職の必要はないとの判断を下した。

 4月の内閣改造で首相府相として入閣したピチット・チューンバーン氏(65)が過去に実刑判決を受けて服役していたことから、憲法が定める閣僚資格に違反する人物を閣僚に任用したとして、セーター氏を訴えた。ピチット氏は今月21日に辞任した。

 セーター氏は23日、訪問先の日本で記者団の質問に応じ、法務チームと相談して15日以内に抗弁の準備を整えると述べた。セーター氏は元実業家で、最大与党プアタイ党所属。セーター氏が憲法裁により首相を解任された場合、プアタイ党の実質的なオーナーと目されるタクシン・チナワット元首相(74)の次女でプアタイ党党首のペートーンターン・チナワット氏(37)が後任の首相に就く可能性が高いとみられる。

 ピチット氏は2008年、首相在任中の汚職疑惑をめぐる裁判でタクシン氏の弁護士を務めた際に、タクシン氏に有利な判決を出すよう判事に贈賄を図ったとして逮捕され、法廷侮辱罪で禁錮6カ月の実刑判決を受け、服役した。その後、プアタイ党から出馬して議会下院議員を務めた。

 現在の上院はプラユット軍事政権(2014~2019年)が選任した非民選の議員で占められ、既得権益をめぐりタクシン派と対立する王党派の牙城だ。任期は今月10日に満了したが、次期上院議員の就任まで職務を代行する。次期上院議員は業種別の互選で選ばれ、定数はこれまでの250から200に減る。首相指名選挙への投票権も失う。王党派は昨年5月の議会下院(定数500)選挙で大敗し、下野を回避するため、タクシン派と連立政権を組んだ。下院に続き、上院でも近く力を失う見通しなことから、王党派の中でも強硬派のグループが王党派の影響下にある憲法裁を通じてタクシン派に揺さぶりをかけたとみられている。

日本を訪問中のセーター首相(2023年5月23日)(写真提供、タイ首相府)

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