ERPのあるべき姿に挑む データ発生源の基とした思想 SimLex Development Co., Ltd.

 2012年8月にタイで設立した「SimLex Development Co., Ltd.」は、ERP(企業資源計画)システムを中心とした海外専用業務ソフトウエアの開発販売を手掛ける。会計、生産管理、販売管理など業務システムのほぼ全領域を網羅し、顧客総数は120社を超える。創設者の古賀敏生氏が、「SimLexはなぜ生まれる必要があったのか」を語る。

世界のERPが抱える構造的課題

 ERPは世界各国で導入が進む一方、共通する構造的な課題が残る。多くのERPが会計システムを中心に発展してきたため、生産・販売・在庫管理が会計へのデータ連携を目的とした「派生機能」にとどまってしまっているのだ。企業活動の起点である現場情報が、後追いで処理される構造が固定化されてしまっている。

 在庫や受け払いなど、実際の動きは現場で発生するにもかかわらず、帳簿管理が会計側に置かれるケースが多い。データ発生源と管理場所が一致せず、「現場と会計の数値がそろわない」という問題が生じる。それをカスタマイズでつなげようとすると、帳票の作成やレイアウト変更に多くの工数が必要で、導入後の調整がコスト増につながる。特に中小企業では運用負担が大きいといえる。

 このようなカスタマイズを重ねれば重ねるほど、標準プログラムとの整合が難しくなってくる。法改正によってシステムの修正・変更が必要となったり、ERPの新機能が発表されて更新できる機会があったりしても、カスタマイズしすぎると対応が遅れがちになる。

 結果としてシステムが陳腐化し、設定が長期間更新されず、バージョンアップが停滞する。原価管理では工程チャージなど専門的な設定に依存し、現場実態と乖離した原価計算がいつまでも続く。また、担当者の属人化なども起こり得る。担当者が変わると、バージョンアップが停滞するどころか、運用自体が止まるといった事態に陥る。

SimLex ERPの開発思想

 我々は、こうした課題を「データ発生源の基にして再設計する」ことで解決を試みた。生産・販売・会計・原価を一体化し、現場で発生した情報が自然な流れで経理処理に連携する仕組みを採用。データ発生源を重視した構造により、業務の流れを途切れさせないことに成功した。

 受払台帳を生産管理側に置き、そこから全在庫情報を生成する「Single Source of Truth」を採用。現場と会計が同一データを共有し、在庫精度との整合性を確保した。Single Source of Truthは「唯一の真実」と訳され、我々の業界では思想基準にあたる。

 帳票はExcelテンプレートで管理し、プログラム修正なしでのレイアウト変更を可能としている。カスタマイズ工数を大幅に削減し、現場担当者が自ら調整できるようにした。標準プログラムと個別カスタマイズを完全に分離し、保守契約ユーザーには標準機能のアップデートを無償で提供している。属人化せず、長期運用でもシステムの進化を止めない。

 原価計算は受払台帳の実績データと会計経費をもとに算出する。工程チャージの維持負担を軽減し、現場実態に即した原価管理を可能としている。SimLexではさらに、標準原価・実際原価・予算原価の三方式に対応し、工程別経費の自動配賦や品目別単価の算出を行う原価管理モジュール「SimLex Cost Control」を提供している。

現場から生まれるERP

 SimLex ERPは、会計中心の従来型ERPとは異なる。「現場で生まれたデータが企業全体を動かす」という思想を軸に設計されている。古賀氏は、「ERPは経理のための道具ではなく、現場のための仕組みである」と話す。

 タイ、日本をはじめアジア各国で導入が進み、製造業を中心に現場運用のしやすさが評価されている。特に多品種生産に対応した高速MRP、ロケーション・ロット別の在庫管理、会計連携による原価算出など、現場の負荷変動や急な納期変更に強い点が導入企業から支持されている。標準機能が充実しているため、ノンカスタマイズ導入が多く、短期導入・低コストでの運用が可能な点も評価されている。

住所:382 Nice 2 Building, 5th Floor,Room 5/10 Ratchadaphisek Rd, Samsennok,
Huai Khwang, Bangkok 10320
電話:0-2694-3254, 087-829-6515(日本語)
ウェブサイト:https://simlex-grp.com/
Eメール:simlex_sales@globe-works.net

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