【タイ】中東情勢の緊迫化とエネルギー価格の上昇を背景に、タイの4月の総合インフレ率は1年以上ぶりに上昇に転じる見通しとなった。一方、消費者信頼感指数(CCI)は3月に大きく低下しており、物価と景況感の双方に不安材料が広がっている。商務省貿易政策戦略事務局(TPSO)が明らかにした。
3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.08%下落の100.27で、下落幅は縮小している。月前半に実施された燃料価格の上限措置や電気代の引き下げが影響したほか、在庫が残っていたことから多くの品目で価格が据え置かれたという。
TPSOは、総合インフレ率は第2四半期に入り、明確にプラス圏に戻るとみている。国内の小売燃料価格の上昇に加え、生鮮野菜、鶏卵、鶏肉、豚肉、航空運賃などの価格が押し上げの要因。原材料費や物流費の上昇を受け、大手企業が消費財の値上げを示唆している点も影響するとした。今年の総合インフレ率見通しについては、従来の0.0~1.0%(中央値0.5%)から、1.5~2.5%(中央値2%)へと引き上げた。
同局は、原油価格の動向を前提とした2つのシナリオを提示。1つは、ドバイ原油価格が4~5月に平均1バレルあたり120米ドル前後となった後、年後半に70米ドルまで下落するケース。この場合、軽油の小売価格は4~5月の1リットル44.24バーツから年後半に32.25バーツに下がり、インフレ率は1.5~2.5%に収まるとした。
もう1つは、原油価格が4~6月も120米ドル前後で推移し、その後80米ドルに下がるケースで、軽油価格は年後半に34バーツ程度までしか下がらず、インフレ率は2.5~3.5%に達する可能性があるという。
景気後退と物価上昇が同時に進むスタグフレーションへの懸念については注視しているとしつつ、投資や輸出などほかの経済指標は依然として堅調だとした。新政権による景気刺激策がどの程度下支えとなるかを見極める必要があるという。
一方、CCIは2月の53から3月には45.5に急落した。中東での戦闘が長期化し、燃料価格や生活費が大きく押し上げられていることが主因で、指数が50を下回るのは6カ月ぶりとなる。消費者の先行き不安が強まっている状況が浮き彫りとなっている。
























