【タイ】タイ投資委員会(BOI)のナリット・タートサティーラサック事務局長は、大型投資案件の早期実現を目的とした迅速化制度「Thailand FastPass」を軸に、投資促進策を本格的に進める方針を示した。電力供給や投資用地といった主要な制約を解消し、外国企業の投資判断を後押しする。
同制度の第1段階として選定された16案件(総投資額1700億バーツ)はすでに、すべてが投資奨励の承認を受けており、うち7案件が奨励証書の申請を完了、4案件は関係機関から必要な許認可を取得した。BOIは引き続き残る案件の進捗を注視する。
また、2023~25年に承認された大型案件78件(総額4800億バーツ)のうち、35件(1000億バーツ)はすでに投資を開始し、30件(1100億バーツ)は2026~27年に着工予定となっている。一方、残る13件(2700億バーツ)は電力、用地、各種許認可の課題を抱えており、これらが解消されれば、2027年までに3500億バーツの実投資が新たに見込まれるという。
BOIは先の会合で、投資のボトルネックとなっている電力・再生可能エネルギーと投資用地の2分野について対策を協議。すでに55件が奨励対象となっているデータセンター事業において電力需要が計4.5ギガワットに達しており、今後さらに増加する見通しだという。このため、エネルギー規制委員会(ERC)に対し、BOIや電力各社と連携して安定供給と再生可能エネルギーの活用を含めた持続可能な電力管理計画を策定するよう指示した。データセンター案件については、投資奨励申請前に電力供給の確約書を取得することも義務付ける。
用地面では、将来の工業用地拡大に向けた都市計画の見直しに加え、造成工事を円滑に進めるための掘削・盛土に関する運用指針を4月中に公表する予定。さらに、工業団地内の国有地利用を巡る制度については、関連法令の改正を1年以内に完了させる方針で、現在手続き中の25案件の迅速化を図る。
ほか、投資奨励を受けた先端技術分野については、半導体や高度電子機器などを対象に、外国人専門人材の雇用比率要件を一時的に緩和する。代わりに3年以内にタイ人従業員を育成・配置することを条件とする。
会合ではまた、タイ国際航空(THAI)による国際線向け航空機8機のリース事業2件(総額71億バーツ)も承認された。BOIは今後、承認済み案件の実投資状況を四半期ごとに点検し、関係機関と連携しながら手続きの簡素化と迅速化を進め、タイを国際競争力のある投資拠点として強化していく考えだ。
























