タイは中部と南部の境界があいまいで、プラーチュアップ・キーリーカン(プラチュアップ・キリカン)県を南部とみなす場合があるが、たいていは同県南隣のチュムポーン(チュムポン)県から下とされる。東西40キロ弱、南北200キロ以上の細長い県。
タイ湾とアンダマン海の2つの海を結ぶ交易路が紀元前より、チュムポンを通っていたといわれる。シュリーヴィジャヤ(シュリヴィジャヤ)、スコータイ(スコータイ)、アユッタヤー(アユタヤ)、そして現ラッタナーコーシンと、いつの時代にもタイ湾の要衝としての役割を果たした。チュムポーン市郊外のカーオ・マットシー山の上から、タイ湾につながるター・タパオ運河沿いに広がる町並みを見下ろすことができる。
チュムポンはまた、太平洋戦争の開戦日に旧日本軍が上陸した地点としても知られる。地元の警察官と少年義勇兵の混成部隊が、上陸開始の深夜から正午にかけて応戦、旧日本軍を海岸線に押しとどめた。町の外れに記念碑が建ち、花が絶えることがない。その戦闘は「少年義勇兵」として、タイで映画化されている。
貯水池を整備し、シカやアヒルなどを放して観光名所にするなど(Saphan Chom Kwang, サパーン・チョム・クワーン)、県民が集中する県都であっても自然を満喫できる町がチュムポーン。
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人口: 51万人(2021年、内務省地方自治振興局)
面積:6,009平方キロメートル(エネルギー省)
距離:バンコクから463キロ(タイ道路協会)
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