【タイ】タイ外務省は10月20日、ガザで拘束されていたタイ人の人質ソンタヤー・アカラシーさん(30)の遺体がイスラエル当局に引き渡され、タイに送還されることを確認した。帰国後は仏式の葬儀が営まれる予定。
イスラエル当局は10月19日夜、ハマスから引き渡された人質2人の遺体をテルアビブの法医学研究所に搬送し、そのうち1人がソンタヤーさんと確認した。
タイ外務省のニコンデート・パラーンクーン情報局長兼報道官は、在イスラエル・タイ大使館がイスラエル当局から正式な報告を受け、ソンタヤーさんの身元確認と遺体の移送を確認したと明らかにした。外務省は遺族に哀悼の意を表するとともに、関係各方面の協力に謝意を示した。
今回の移送は米国の仲介による停戦合意の一環。イスラエルが「引き渡しが遅く不規則だ」と不満を示す一方、ハマスは「瓦礫の下に埋もれた遺体の収容は重機などが必要で作業が難航している」と説明しているもよう。
ソンタヤーさんは2023年10月7日のハマスによる南部イスラエル襲撃で殺害され、遺体はガザに持ち込まれたまま2年以上が経過した。イスラエル大使館は声明で「ソンタヤーさんは家族を支える果樹園労働者であり、イスラエル農業における貢献は極めて大きい。イスラエル国民は遺族と深い悲しみを共有する」と述べた。
イスラエル当局はハマスに対し、ガザに残る最後のタイ人人質スティサック・リンタラックさんの遺体についても返還を求めており、タイ外務省は引き続き関係国と連携して対応を進める方針。
●ガザでタイ人労働者の遺体発見、生存が期待されていた最後の1人か