【タイ】ジーラユ・フアンサップ政府報道官は8月11日、タイ・カンボジア国境紛争でのカンボジア軍による地雷埋設を巡り、提訴先は国際司法裁判所(ICJ)ではなく国際刑事裁判所(ICC)だと強調した。カンボジア政府はこれまで、「ICJの強制管轄を拒否するタイが訴えることなどできない」との批判を繰り返していた。
ICJが主に国家間の法的紛争の解決を担うのに対し、ICCは主に人道、戦争、侵略などにおける個人犯罪を追及する。タイは今回、軍もしくは特定人物による戦争犯罪として、カンボジアをICCに提訴する方針。
ジーラユ報道官はまた、タイのジュネーブ国連代表部がカンボジア軍のオタワ条約(対人地雷禁止条約)違反に対する抗議の書簡を提出したことを明らかにした。今年12月に日本で開催されるオタワ条約第22回締約国会議の議長国は日本。
タイはICJにおいて1960年、それまでの「強制管轄権受諾」の宣言を撤回した。ただ、「プレアビヒア(タイ語名ワット・カオプラウィハーン)」の帰属問題に関しては、カンボジアが1959年に初回提訴を行っており、タイはICJの判断を受け入れる義務があるとされる。また、カンボジアは今回の国境紛争で7月、ICJに問題解決を要請する書簡を再び送付している。