【ミャンマー】ミャンマー軍と対立する少数民族武装組織、カレンニー民族防衛軍(KNDF)は12日、ミャンマー軍が11日、北東部シャン州の村を航空機や重火器で攻撃した後、村に侵攻し、仏教寺院に避難していた住民30人と仏教僧侶3人を殺害したと発表した。
KNDFは翌12日に村に入り、遺体を確認した。公開された写真には血の海に横たわる複数の遺体が写っていた。
ミャンマー軍は過去数週間、KNDFの支配地域への攻勢を強め、町を焼き払うなどしているという。KNDFは複数カ所から黒煙を上げる山中の村の写真も公開した。
ミャンマーでは2020年11月に総選挙が実施され、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相率いる与党・国民民主連盟(NLD)が勝利した。選挙で大敗したミャンマー軍は翌2021年2月にクーデターを起こし、アウン・サン・スー・チー最高顧問ら政権幹部の身柄を拘束し、実権を掌握。その後、クーデターに抗議する市民らを武力で弾圧し、これまでに3000人近くを殺害したとされる。少数民族の支配地域にも軍事的圧力を強め、北部、東部などでミャンマー軍と少数民族、民主派の戦闘が続いている。