【タイ】在タイ日本大使館は13日、本社代表者と名乗る者から不審な電話があったとの相談がタイの日系企業から複数あったとして、日系企業に対し、詐欺に警戒するよう呼びかけた。大使館は昨年10月にも、同様の不審な電話で企業から相談を受け、詐欺への警戒を呼びかけていた。
新たなケースでは、日本本社社長の実名を名乗り、「お疲れ様です。お変わりないですか」などと挨拶した後に、「出金などの手続きについて確認したいことがあるが財務担当者はいるか」、「今社長はいるか。いなければ、つながる社長の連絡先を教えてほしい」などと日本語で指示してきたという。声のトーンや話し方が本社社長に酷似していたこともあって、電話中は疑問を感じなかったものの、不審に思った担当者が日本本社へ確認をとり、そのような事実はないことが判明した。被害は発生していない。
大使館によると、こうした事案は過去に他国でも報告されている。最近では、AI(人工知能)を活用したソフトを使用して偽の音声を作成して特定の人物になりすましたり、電話番号についても、アプリを使用して本社の電話番号など実際の発信元とは違う番号を相手方に表示させることが技術的に可能だという。
大使館は、心当たりのない電話やメール、手紙などを受け取った場合には、鵜呑みにして電話番号を教えたり、容易にメールなどを送ったりせず、本社の関係部署に必ず確認するなど、詐欺の可能性を疑って対応するよう呼びかけた。