【タイ】タイ政府は7月8日の閣議で、バンコク首都圏の都市鉄道の運賃を上限20バーツとする計画を承認した。10月1日に導入される予定。
タイ人利用者は、デジタル政府開発庁(DGDA)が開発中で8月にも公開される専用アプリ「ターンラット(ทางรัฐ)」を利用することで、13路線の運賃が一定時間内の乗り継ぎを含めて上限20バーツで乗車できるようになる。
既存のプリペイドカードやクレジットカードなどの情報をアプリに入力して連携させる。将来的には銀行アプリにつなげることも可能になるという。タイ国民IDナンバーの登録が必要なため、外国人は納税者であっても対象外で、これまでどおりの運賃を支払う。通常運賃は今後、変動する可能性もあり得る。
タイ政府は、タイ人運賃を上限20バーツに設定することにより、自家用車の利用が減って朝夕のラッシュをはじめとする渋滞や大気汚染などの公害が緩和され、燃料費、交通事故による損害、渋滞や公害の対策費など年間100億バーツ(450億円相当)の節約を達成できると見込んでいる。具体的な効果は導入後1年で評価されるとしている。ただ、鉄道運行会社の損失補填のため、80億バーツを拠出しての「共同発券基金」の設立を必要とする。
上限20バーツ運賃は現在、レッドラインとパープルラインに適用されている。都市部で旅行者を含む外国人の利用が多い高架鉄道(BTS)の運賃は15~62バーツ、バンコク地下鉄(MRT)は17~43バーツ。