【タイ】タイ連立政権第2党のプームジャイタイ党が6月18日、連立政権からの離脱を発表した。首相兼内相のアヌティン・チャーンウィーラクーン党首ほか計8人の閣僚がペートーンターン・チナワット首相に辞表を提出、今日19日にも認められる見込み。
アヌティン党首は、ペートーンターン首相がカンボジアのフン・セン元首相との非公式の電話会談で「タイを裏切る発言」を行ったことを、離脱の理由に挙げている。これに伴い、プラードン・プリッサナーナンタクン下院副議長も19日朝、その座を辞することを明らかにした。
プームジャイタイ党は下院500議席のうち69議席を占め、外国のメディアは「政権の不安定化」を報じているが、国内では「(最大与党の)プアタイ党にとって内閣改造に都合が良い」と見る向きが少なくない。プアタイ党とプームジャイタイ党は以前より、アヌティン党首の内相のポストで争いを続けており、ペートーンターン首相の「裏切り発言」直前にも、「内相のポストと保健相+首相府相の2ポストを交換」という提案がアヌティン党首にあったという。「その提案さえ、首相は自分で行くことができずに代理を送った」と伝えられていた。
ペートーンターン首相の発言を巡り、各方面から「下院は解散すべき」との声が挙がっているが、プームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼国防相は19日、その可能性をあっさり否定した。プームジャイタイ党の離脱後、与党の席数は261席となる。