【タイ】タイで起きた事件や警察の動向を掲載するタイ警察ホームページ「POLICE News Varieties」が、6月18日に明らかになったペートーンターン・チナワット首相の「裏切り発言」に関する、野党パラン・プラチャーラット党の主張を掲載している。同党のピーヤ・タウィチャイ報道官は警察中将。
ペートーンターン首相の父親であるタクシン元首相は警察上がりで、タイ警察は「タクシン寄り」と評されることが多いが、タイの領土に関わる今回の問題では、ペートーンターン首相であっても批判を辞さない態度を示したといえる。
パラン・プラチャーラット党は、ペートーンターン首相の発言を受けてその日の夜にプームジャイタイ党が離脱を決定したことを、高く評価した。その一方で、民主党などが政権にしがみついていることを批判している。民主党はタイ最古の政党で、与党第1党のプアタイ党と長く争ってきたにもかかわらず、現政権では膝を屈して連立入りした。
今回問題となっている発言については、フン・セン元首相を「おじさん」、自分のことを「姪」、タイ陸軍第2軍管区の司令官と兵士たちを「向こう側(反対側)」とし、「フン・セン元首相と自分のことを『我々』と呼んだ」と批判。「首相が釈明していたような『交渉術』だったのか、『売国行為』なのかを判断するのは国民だ」とし、「タイ政治の成れの果てであり『カルマ(因果応報)』だ」と表現した。また、「単なるかっこつけの役立たず」という言葉は、タイ陸軍と第2軍管区への侮辱とみなした。
パラン・プラチャーラット党は、ペートーンターン首相の一連の発言は憲法において、
・第122条(4):戦闘において敵に有利となる行為
・第119条:王国もしくは王国の一部を外国の主権下に置く、または国の独立を損なう行為
・第127条:国外から国に危害を加える行為、その準備、未遂
などの、罰則を定めた行為に相当する疑いがあると指摘している。
写真:POLICE News Varieties