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〈タイ業界事情〉在宅勤務におけるシステム運用作業の効率化について BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
- 2021/5/6
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難波 孝次 氏 Managing Director
現在タイ国の特にバンコク区において、新型コロナウイルスの感染状況が再び悪化してきたことに伴い、タイ政府からも出来る限り在宅勤務を行うようにとの要請があり、社内の業務管理システムをご自宅からご使用されている方も多いのではないかと思います。それで以前にも一度話をさせていただきましたようにVPN等のネット環境を整備することにより、自宅から社内のシステムをネット経由でご利用いただくことについては、それほどハードルの高い内容ではなくなってまいりました。ただやはり自宅という限られた環境の中ですと、会社のデスクとは異なり色々と不便な問題があり、例えば承認作業や大量のデータを入力していく作業とかですと、中々思うようにいかず、いつも以上に時間を費やされたりされているケースもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、在宅勤務におけるシステム運用作業の問題と効率化について話をさせていただければと思います。
ご自宅で業務管理システムを運用するにあたり、先ずネックとなりますのが承認作業になるのではないでしょうか。当然ながらシステム内に電子承認機能があることが前提なのですが、まとめて承認をおこなうケースであればそれほど問題にはならないとしましても、急ぎでINVOICEやPURCHASE ORDERを発行しないといけない場合どのようにすれば良いでしょうか。同じ事務所内に承認者がいるのであれば印刷した書類を持っていくだけで済むのですが、承認者が在宅勤務をされているケースですと、都度電話やSNSで承認作業をおこなってもらうようお願いする形になりますでしょうか。その場合承認者は今おこなっている作業を止めてシステムの承認機能を立ち上げて、システム内で承認処理をおこない、処理終了後にその旨を担当者に連絡するといった一連の作業をおこなう形になるかと思いまして、承認者からすれば紙の書類にサインをすることに比べると少々時間をとられる作業になるような感じです。
そこでこの作業を効率よく行うとしますと、INVOICE若しくはP/Oの入力画面に「急ぎ承認」のボタンを設け、同ボタン押下で承認者にメール等で自動でメッセージが送られ、同メッセージ内のリンクアドレスをクリックすれば、自動的に該当の書類表示と承認機能が立ち上がり、承認処理後には今度は担当者に承認が終了した旨のメッセージが送られる形にするとどうでしょうか。この時に設定によっては電子サイン付きの書類をアタッチして直接取引先さんにメールを自動送信することも可能で、またこの承認機能はタブレットPCやスマートフォンでも対応可能ですので、作業中の画面はそのままに別の機器にて承認作業をおこなうことも可能となります。
次に問題として挙げられる内容が、大量のデータを入力する場合にどうするのかという点がございます。もちろん入力場所が事務所の中であれ自宅であれ、システム画面よりデータを入力する操作についてはさして違いはないのですが、データ入力の元になる大量の書類を自宅まで持ち帰るのかという点が問題となります。例えば得意先さんからのPURCHASE ORDERや仕入先さんから送られてくるINVOICEについては、取引先さんとEDIシステムで連携されていれば電子データのやり取りのみで処理が可能なのですが、そうでない場合、どうしても紙若しくはスキャンされたPDFファイル等の画像データでのやり取りとなってしまいます。画像データの場合ですと、そのままの状態ではシステムにアップロードすることが出来ず、かといって画面にデータを表示しながら同じ画面でデータ入力をおこなうというのも至難の業ですので、どうしてもいったん紙として出力する形とならざるを得ません。
そこで画像データのままでデータ入力がおこなえる方法を考えてみますと、先ずOCR機器を使用することにより画面上の文字をそのまま読み取るという手段があります。ただOCR機器自体がそれほど一般的ではないことに加え、取引先さんの書類自体が統一されている訳ではないので、どこにどういった情報が出力されているのかを画面上で探しながらの作業となりますことから、あまり効率の良いものになるとは言えないでしょう。
次にQRコードを利用することを考えてみますと、書類上にデータ内容を格納したQRコードを印刷してもらい、同QRコードをスキャンすることによりデータ入力を自動でおこなうという形ではどうでしょうか。この場合でもQRコードのスキャナーはどうするのか?という問題は出て来るのですが、弊社のシステムではタブレットPCやスマートフォンに標準装備されている背面カメラを利用してQRコードをスキャンすることが可能ですので、高価な機器を揃えていただく必要もなく、今お持ちの端末で実現が可能でございます。
具体的にはPCの画面上に取引先さんの書類画像を表示して、手持ちのタブレットPCやスマートフォンの背面カメラにてQRコードをスキャンすることによりデータ入力をおこなうというもので、この形であれば前述の紙媒体の問題を解決するのみでなく、作業性も上がり、かつデータ入力の省力化及びデータ品質の向上も実現できますので、かなり大きなメリットがあるのではないでしょうか。ただ唯一にして最大の問題点として、果たして取引先さんがQRコードを付けてくれるのか?という点はあるのですが、取引先さんでも同じようなシステムをご導入いただくことが可能であれば、双方にとって同じようなメリットを享受できる(以前に説明させていただいたオフラインでのEDIシステムと同じようなものではあるのですが)と言えるでしょう。
また、取引先さんの書類にQRコードを印刷してもらうことが難しい場合ですと、これも以前に一度話をさせていただいたことがあるのですが、こちらから発行するP/O書類にQRコードを印刷しておくという方法もあります。同P/Oに対するINVOICEを送ってもらう際に関連P/Oについても送ってもらうようにすれば、そこに印刷されたQRコードをスキャンすることにより、全ての情報入力を自動化することは出来ないのですが、かなりの入力作業を削減することは可能となるでしょう。
あと、在宅勤務でシステム運用を行うにあたりまして、どうしても避けられない問題がセキュリティ管理ではないでしょうか。前述の社内資料を自宅に持ち帰って良いのか?ということにも関連してくるのですが、自宅から業務管理システムを稼働させることにより、基本的には社外への持ち出しが禁止されているような情報についても、事務所の外から閲覧できる環境が構築されてしまいます。かといってそれを100%禁止してしまいますと在宅勤務そのものが不可能ということになってしまいますので、この為通常ではVPN機器とファイアーウォール機器によるハード環境による強固なセキュリティを確立させた状態での使用に加え、システム接続時のIDとパスワードによる管理が行われる形となります。また弊社のシステムではVPN接続時に付与されるIPアドレスとシステムセキュリティを関連付ける方法や、システムのログイン時にワンタイムパスワードを組み込んだアドレス若しくはQRコードを送付する等、二重三重のセキュリティ設定がおこなえる仕組みを構築しておりまして、不正アクセスやデータ漏洩の防止をおこないながらも、それでいて使い勝手を損なわないシステムとなっております。
タイでは現在の状況がいつまで続くのかはまだ見えないのではありますが、在宅勤務が長引くことも充分考えられまして、そういった中で弊社では少しでも皆様のシステム運用における作業効率の向上にお役に立てればと考えておりますので、何かご相談等がございましたらお気軽にご連絡をいただけますでしょうか。
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, SoiChaypuang,
Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
ウェブサイト:www.bkktoki.com