【タイ】政府は10月1日午前0時1分、全国3000万世帯を対象とする政府負担の災害保険制度を開始した。洪水、暴風、地震による住宅被害を補償し、被災者への支援の迅速化を図る。
今回の対象はバンコクをはじめとする全国各県の住宅で、155億バーツ(730億円相当)を充てる。2026会計年度の中央予備予算のうち、緊急または必要な支出向けの予算を活用する。同制度は主に、2025年に発生した南部一帯での洪水を教訓に政府が導入を決定。9月22日の出張閣議で承認したばかり。
自然災害の発生頻度や被害規模が世界的に拡大している一方、タイでの従来の政府支援や補償制度は災害発生後に手続きが始まるため、支援までに時間を要していた。新制度は、既存の災害救援措置を補完し、被災者がより迅速に支援を受けて生活再建できるようにしたという。また、災害復旧費用は毎年の予測が難しく、政府がほか国家開発分野に予算を配分する余地を狭めていることから、保険制度の導入によって財政運営の効率化も期待されるという。
内務省災害防止対策局(DDPM)はバンコクと各県に対し、制度開始前に発生した災害に対する従来の救済措置と、制度開始後の災害に適用される保険制度を明確に区別するよう要請した。災害発生時期によって適用制度が異なるため、運用上の混乱を防ぐ必要があるとした。
DDPMは地方の災害情報入力システムを支援し、保険業監督委員会(OIC)の査定データと連携させる。DDPMとOICは共同で運用マニュアルを作成し、住民およびデータ入力を担当する職員向けの手引きを公表。制度への理解を統一し、被災者への支援をできるだけ早く届けることを目指す。
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