タイ社会保険年金の算定方式が変更 勤務期間全体の平均賃金を基準に

【タイ】政府は7月14日の閣議で、社会保障基金(SSF)の老齢年金の算定方式を見直す労働省省令案を承認した。従来の「最終給与平均方式(FAE)」を廃止し、勤務期間全体の平均賃金を基準とする「CARE方式(Career Average Revalued Earnings)」を導入する。省令は官報公布から180日後に施行される。

 ジュラパン・アモーンウィワット労相によると、省令案は老齢年金と退職一時金の算定基準を改め、加入者が働いた期間を通じて拠出した保険料をより正確に反映する仕組みにするも。長期的な基金運営の安定性を高める狙い。

 CARE方式では、加入者の全勤務期間の平均賃金を基礎として年金額を算定し、過去の賃金は「年金ポイント制度」として現在価値に調整する。これによって従来のような退職前数年間の給与水準に年金額が左右される仕組みを改め、拠出実績をより公平に反映させる。

 退職一時金についても、加入期間が180カ月未満の加入者に対する算定方法を見直した。従来は12カ月未満の加入では受給できなかったケースでも、従業員と事業主の拠出分に運用益を加えた額を支給する。

 一方、今回の改革では、既存制度を前提に退職計画を立てていた加入者が不利益を受けるとの懸念が出ていた。これに対しジュラパン労相は、既存の受給者および施行後5年以内に受給資格を得る加入者を保護する経過措置も設けているとした。

 CARE方式で年金額が増える受給者は施行翌月から増額分を受け取り、減額となる受給者は現行額を維持する。施行後5年以内に受給資格を得る加入者については、減額分を初年度は全額、5年目には2割まで段階的に補填する。

 

ジュラパン労相 写真:จุลพันธ์ อมรวิวัฒน์フェイスブックより

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