【タイ】タイ政府は、2026年を通じて高温と少雨をもたらすと予測されるエルニーニョに備え、全国で人工降雨(ロイヤル・レインメイキング)作戦を強化している。農作物被害の抑制や貯水量の確保を目的に、6つの人工降雨部隊を配置した。
農業協同組合省の王室人工降雨農業航空局は、タイ気象局の3月の評価を引用し、5月以降にエルニーニョ現象に移行し、年末まで続く可能性が高いと指摘されていると説明。これにより、記録的な高温と平年を下回る降雨が見込まれ、農地への深刻な影響が懸念されている。
気象条件が整い次第、貯水池の水位回復や森林・農地の保水を図るため、干ばつリスクの高い地域に人工降雨部隊を設置。農業協同組合省が進める水資源対策の一環で、「貯水」「補給」「適応」「監視」の4戦略に基づく取り組みとなる。
人工降雨作戦はすでに3月1日から開始されており、水不足地域の支援と貯水池の水位確保を目的に実施されている。3月1日〜4月30日の間に53日間、計446回の飛行を行い、98.11%の作戦で降雨を誘発することに成功。中部ナコーン・サワン、ペッチャブリー、プラジュアップ・キーリーカン、北部ペッチャブーン、ウタイ・ターニー、東部チャンタブリー、サケーオ、西部カーンジャナーブリー、ラーチャブリー、東北部ナコーン・ラーチャシーマー、南部チュムポーン、トラン、ラノーン、ソンクラーなど33都県の農地で雨を降らせることができたという。
成功した範囲は計8008万ライ(1ライ=1600平方メートル)に及び、12カ所の大型貯水池と51カ所の中小貯水池で水量が回復し、集水域での累計貯水量は5513万立方メートルに達した。干ばつの深刻化や「スーパー・エルニーニョ」発生の可能性を踏まえ、同局は5月1日以降の作戦計画を見直し、需要に応じた体制に再編した。展開された6部隊は以下のとおり。
また、バンコク首都圏、北部、東北部で微小粒子状物質(PM2.5)対策として気象改変作戦も実施。ドライアイス散布、冷水噴霧、雲の生成・強化などの手法により、微小粒子状物質の吸収・拡散を促した結果、空気質は「中程度」「良好」「非常に良好」レベルへ改善したという。現在、夏期の突風や雹(ひょう)に備え、北部チェンマイ、ピッサヌローク、東北部コーンケーンの3カ所に雹害抑制部隊を待機させ、監視体制を維持している。
























