【タイ】タイ国立開発行政研究院(NIDA)が4月3~7日にタイ全国の18歳以上を対象に実施した世論調査(回答者2000人)で、議会下院(定数500、任期4年)選挙の比例代表の投票先として最も支持を集めたのは最大野党でタクシン元首相派の「プアタイ党」で47%(3月のNIDA政党支持率調査で49.9%)だった。
2位は野党第2党でリベラル派の「ガウクライ党」で21.9%(同17.2%)。
3位はプラユット・ジャンオーチャー首相兼国防相(元タイ陸軍司令官、68)が事実上の党首の新党「ルワムタイサーンチャート党」で11.4%(同12.2%)。
4位は与党第3党で現存するタイで最も古い政党の「民主党」で4.5%(同5%)。
5位は与党第2党で財閥、政治閥の集合体の「プームジャイタイ党」で3%(同2.6%)。
6位は野党第3党でリベラル派、セーリーピスット・テミヤウェート元警察長官(74)率いる「セーリールワムタイ党」で2.7%(同2.9%)。
7位は野党陣営の新党で有力女性政治家のスダーラット・ケユラパン元保健相(61)が党首を務める「タイサーンタイ党」で2.1%(同2.6%)。
8位は与党第1党で王党派、軍の支持を受ける「パランプラチャーラット党」で1.8%(同2.3%)だった。
「次期選挙で首相として支持する人」の1位はタクシン元首相の次女でプアタイ党顧問のペートーンターン・チナワット氏(36)で35.7%(同38.2%)だった。
次いでガウクライ党のピター・リムジャルーンラット党首(42)が13.6%(同15.8%)、3位はプラユット首相で13.6%(同15.7%)、4位はタイ証券取引所(SET)上場の不動産デベロッパー、センシリの前最高経営責任者(CEO)でプアタイ党の首相候補の1人であるセーター・タウィーシン氏(60)で6.1%だった。
プアタイ党はペートーンターン氏、セーター氏ら3人を党の首相候補としている。ペートーンターン氏は現在妊娠中で、政権奪回に成功した場合はセーター氏が首相になる可能性があるとみられる。
プラユット首相は3月20日に議会下院を解散。5月14日に下院総選挙(小選挙区400議席、比例代表100議席)が行われる。総選挙後の首相指名選挙にはプラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選の議会上院(定数250、任期5年)も投票するため、プアタイなど野党陣営は下院選で圧勝し、ほぼ全議員が親プラユット・王党派の上院を黙らせることが政権奪取の条件となる。