タイ教育相、国際会議でAI活用の教育ビジョン提示 教師の負担軽減と学習力強化を説明

【タイ】ナルモン・ピンヨーンシンワット教育相が、スロバキア・ブラチスラバで開かれた「教育と技能の未来2040国際フォーラム」に登壇し、人工知能(AI)を活用した教育の在り方についてのタイの政策的な視点を示した。タイ首相府が11月26日に発表した。

 ナルモン教育省は25日(現地時間)に登壇し、AIが日常生活に深く関わる時代において、児童生徒と教師が備えるべき能力として、分析的思考、問題解決力、創造性、協働、コミュニケーション、倫理的判断、自己管理が挙げられると説明した。AIリテラシー、デジタル技能、責任ある利用、倫理観も欠かせないとも強調。AIは現在、学校や家庭での学習に広く使われており、継続的な学習者の育成と保護者・地域社会の関与が不可欠だと述べた。

 授業面では、AIが教師の負担軽減に役立つとし、教師自身がAIを活用して学習進度を把握し、児童生徒の関心に応じた学習支援を行う必要があると指摘。技術科目に限らず、数学、理科、語学、社会科など幅広い分野で活用可能だとした。急速に進化するAIに対応するため、教師が自己啓発を続けることも大きな課題だとも述べた。

 タイの教育省はすでに、全国750校のパイロット校でAIリテラシー、倫理的利用、カリキュラムへの統合、教室向けアプリの活用などの研修を継続的に実施しているという。事務作業など授業以外の業務でもAIを導入し、教師の負担軽減を図っている。

 タイ首相府によると、今回のブラチスラバでのフォーラムには、スロバキア、ウクライナ、ポルトガル、タイ、インドの教育担当閣僚が参加し、経済協力開発機構(OECD)の教育枠組みに沿ったAI活用の事例を共有した。会議には35カ国から教育相、デジタル担当相、教育行政幹部、研究者、教師、学生ら約150人が出席した。

ナルモン教育相 写真:タイ首相府

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