【タイ】東部サケーオ県アランヤプラテート郡内の民家で10月13日、カンボジアに拠点を構える詐欺組織に勧誘され、越境しようとしていたタイ人11人を、国軍と警察が救出した。いずれもSNS上の求人ページを通じ、「月収2万~2万5000バーツ」の高収入をうたう広告に応募していた。
救出されたのは男性7人、女性4人。アランヤプラテートに集められ、カンボジアへの越境を待つよう指示されていたという。タイ・カンボジア国境は現在、紛争を理由に閉鎖されている。
11人のうちの1人が、特殊詐欺などのコールセンターで強制的に働かされるのではないかと疑念を抱き、親族に連絡。この相談を受けたキリスト教系支援団体のタイ・イマヌエル財団が当局に通報した。国軍と警察が合同で救出作戦に乗り出し、全員を保護した。民家の所有者は部隊が到着する前に逃走したもよう。
キティラット・パンペット警察長官は事件の報告を受け、同地を管轄する第2警察管区に対して事件の全容解明と関係者の逮捕を、サイバー犯罪捜査課(CCID)に対して違法な求人ページや関連するオンライン経路の捜査を、それぞれ命じた。また、「出所不明の求人広告や不自然に高額な収入をうたう募集には十分注意してほしい」と国民に呼び掛けた。
写真:POLICE News Varieties