タクシン元首相の不敬罪裁判、タイ検事総長が控訴へ

【タイ】タイ最高検察庁(OAG)のイティポーン・ケーオティップ新検事総長は、タクシン・チナワット元首相の不敬罪裁判をめぐり、刑事裁判所が無罪を言い渡した判決を不服として控訴を決定した。庁内の審査委員会はこれまで、控訴見送りの意見を具申していた。

 刑事裁判所は今年8月22日、タクシン元首相に無罪を言い渡した。判決では、2015年に韓国ソウルで行われた朝鮮日報のインタビューにおいて、元首相が批判したのは軍関係者やクーデターそのものであり、王室の関与を示唆するものではないと判断された。「枢密院が2014年のクーデターを支持し、妹のインラック元首相を失脚させた」という表現だった。

 この裁判では、控訴は検事総長の最終判断が必要とされる。しかし、パイラット・ポーンソンブーンシリ前総長は9月末の退任までに結論を出さず、判断は後任のイティポン総長に委ねられた。イティポン総長は昇任前、副総長として審査委員会の委員長を務めたが、控訴すべきか否かの採決には不参加。採決は8対2で控訴見送りの意見となった。

 イティポン総長は今回、委員会の意見を退けて控訴を決定した。

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2025年8月のタクシン元首相と娘のペートーンターン前首相 写真:プアタイ党フェイスブックより

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