【タイ】タイの複数メディアが報じるところによると、プーケット県の各行政責任者が8月8日に会合を開き、観光業の健全化について話し合った。特に大麻の臭気およびレンタルバイクの無法化を議題として取り上げ、早急な是正が必要であることを確認したという。
プーケット県は今年6月にも、大麻商品の販売および使用を一定の区画に制限する「ゾーニング化」の計画を明らかにしていたが着手した様子はなく、8月の会合で再び同じ内容を話し合ったもよう。前回も外国の旅行業者から意見を受けたとしていたが、今回も豪州で開かれたタイ観光プロモーションの場で、現地旅行業者から複数の指摘や苦情があったという。中でも改善を求められたのは、プーケットの町中に蔓延する「大麻の臭気」と、免許や運転技術を確認することなく外国人に貸し出す「レンタルバイク」だった。
大麻については、タイで解禁になった当初はプーケットでも、大麻の品評や紙巻き大麻を巻く早さを競うなどのイベント「プーケット大麻カップ」を開催(2023年3月)、観光につなげようと積極的だった。しかしその臭気は今や、「ファミリーでも楽しめるビーチリゾート」というイメージを損なう元凶と化した。プーケット島内には1640軒の大麻販売店が存在。数字が正確であれば、6月時点の1495軒から増えたことになる。
レンタルバイクに関しても過去数十年、無免許の相手への貸し出しが黙認されてきた。観光客や旅行者がそこにプーケットの「自由さ」を感じてきたという側面は否めない。これもまた、外国からの指摘によって「無法化」だったと気づかされたといえる。
また、タイ国内で特殊詐欺、経済犯罪、不法就労などのニュースが多く取り上げられる中国人についても言及。「犯罪者と旅行者を明確に区別しなければならない。中国人を一括りに『グレーな国民』と報じてしまうと、彼らはタイを避けてシンガポールや日本に行ってしまう」と、メディアに苦言を呈した。