【タイ】タイ東部サケーオ県のカンボジア国境で6月23日、二輪車のタイ入国が禁止された。バイク、座席やカートなどを併設した改造バイク、手押し車やリヤカーなどの二輪以上のカートが対象となる。
アランヤプラテート郡のバーン・クローンルック国境(カンボジア側はポイペト)も含まれ、双方の地域経済への影響は多大と予想される。同国境は鉄道で首都バンコクと直結しており、カンボジアとの国境貿易で最重要の通過地点とみなされる。
この措置は、カンボジアが前日22日に開始した、タイからの燃料輸入の全面禁止に報復したもの。その燃料輸入禁止も、21日からのタイ側による東北部ブリーラム県の一部国境閉鎖を受けたもので、報復合戦が続いている。
カンボジアはエネルギーから消費財まで多くをタイからの輸入に頼っているが、今回の国境問題を巡りフン・セン元首相や息子のマネット首相は、「カンボジアはタイに頼る必要はない」ことをアピールしたいものとみられる。また、「タイが先に国境を完全に再開するまで続ける」との強気の発言を繰り返しており、早急な関係改善は期待されていない。