【インドネシア】インドネシア保健省によると、ジャワ島中部、ジョグジャカルタ特別州の村で、炭疽が原因とみられる死者が5、6月に3人発生した。
この村では5月後半に、家畜のウシ、ヒツジの急死が相次いだ。死んだ家畜は食用となり、食べた人が発熱、頭痛、皮膚の水ぶくれや潰瘍などの症状を示し、死亡した。当局が死んだ家畜を埋めた土壌を調べたところ、炭疽菌が検出された。
7月6日時点で、感染した疑いがある125人に予防的な治療を行っている。このうち87人が検査で陽性だったが、無症状だという。
日本の厚生省によると、炭疽は炭疽菌の感染で起こる人畜共通の感染症。炭疽にかかった動物や炭疽で死亡した動物に接触したり、炭疽で死亡した動物の肉、臓器、皮や毛に接触したり、食べたりすることで感染する。皮膚炭疽の場合、かゆみがおこり、続いてイボ状のできものができ、それが水ぶくれになって大きくなり、えぐれて潰瘍になり、最後にはくぼんで硬い黒いかさぶた状のものになる。発熱、倦怠感や頭痛を伴う場合がある。全く治療を行わないと、20%程度が死亡する。腸炭疽の場合、おう吐、発熱がおこり、続いて激しい腹痛と血まじりの下痢が見られる。50%程度が死亡する。肺炭疽では発熱、せき、呼吸困難やおう吐がおこり、90%程度が死亡する。抗生物質による治療が行われる。