タイで農業・家事・屋台労働者も保険適用へ 社会保障の空白を埋める新制度

【タイ】政府は8月25日の閣議で、社会保険法第33条の適用範囲を拡大する政令案を承認した。これまで保護の対象外だった労働者にも社会保障を行き渡らせる狙いで、法制委員会の審査を経て公布される。

 対象となるのは、1)農業・林業・畜産業の従業員、2)個人事業主に雇われる家政婦、庭師、運転手など、3)屋台などの露天商に雇われる労働者――の3グループ。これまで社会保険制度の適用外だったが、改正後は一般労働者と同様に保険給付を受けられるようになる。

 保障内容は、疾病・がん・出産・障害・死亡・老齢・失業までと幅広く、労働者と家族の生活を支える仕組みとなる。タイ人だけでなく、正規の身分証と労働許可を持つ外国人労働者も対象に含まれる。

 施行準備のため、公布後の猶予期間は従来の60日から180日に延長され、雇用主・労働者・社会保険事務所(SSO)が体制を整える時間を確保する。政府は広報活動を通じて制度の理解促進を図る。

 労働省による試算では、制度拡大により2025年から加入者が増加し、2030年には105万人が新たに社会保険に加入する見込み。日常生活を支える労働者層にまで保障を広げることで、社会全体の安定を目指す。

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