ホルムズ海峡でタイ船籍ばら積み船が被弾 乗組員20人救助、3人救出作業続く

【タイ・オマーンほか】中東の要衝ホルムズ海峡付近で3月11日、タイ船籍のばら積み貨物船が飛翔体による攻撃を受け、船尾と機関室で爆発と火災が発生した。タイ海軍などによると、乗組員23人は全員タイ人で、うち20人はオマーン海軍により救助され、残る3人は機関室内に取り残されているとみられ、救出作業が続いている。

 被害を受けたのは、タイ証券取引所(SET)上場のプレシャス・シッピング(Precious Shipping)社が運航する「Mayuree Naree」(総トン数1万9900トン)。アラブ首長国連邦(UAE)のハリファ港を出港し、インド西部グジャラート州のカンドラ港へ向かう途中、ホルムズ海峡通過後のタイ時間午前11時ごろ、船体の喫水線上に2発の飛翔体が命中した。爆発により船尾と機関室が損傷し、火災が発生したという。

 船長は状況を受け、乗組員に退船を指示。20人は救命いかだで脱出し、オマーン北部の港湾都市ハサブに無事上陸した。一方、当時機関室で当直中だったとみられる3人とは連絡が取れておらず、オマーン海軍や関係機関が捜索と救助を続けている。

 今回の攻撃の詳細や原因は調査中で、同海域では同日、正体不明の飛翔体により少なくとも3隻の商船が被害を受けたとされる。このうちタイ船籍船の損傷が最も大きかったもよう。英国の海事当局も、イラン北方のホルムズ海峡で貨物船が火災を起こし、乗組員が退避した事案を確認している。

 当地では、米国とイスラエルによるイランへの空爆と、それに対する報復行動が相次いでいる。ホルムズ海峡を通過する船舶の航行は大幅に減少している。

 タイ海軍は、バーレーンに司令部を置く多国籍海上部隊や英国の海上貿易監視機関と連携し、在外タイ大使館とも協力して救助活動を支援している。外務省領事局や海事当局とも連絡を取り、全乗組員の安全確保と帰国支援にあたる。

 船主のプレシャス・シッピング社は、同船が戦争危険保険に加入しているため、業績への重大な影響は見込まれないとしている。貨物は積載しておらず、人的被害の最小化が最優先課題だと強調した。海事当局は今後も状況を注視し、関係機関への情報提供を続けるとしている。

写真:omanobserver.om

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