【タイ】タイ政府観光庁(TAT)は12月24日、K-POPグループ「BLACKPINK」のタイ人メンバー、ラリサ(LISA)・マノバンさんを「アメージング・タイランド観光大使」に起用した新たなキャンペーンを、2026年1月に開始すると発表した。年明け早々に予告映像を公開し、リサさんならではの視点を通じてタイ各地の多彩な魅力を国内外の旅行者に再発見してもらうという。
ターパニー・キアットパイブーンTAT総裁は、リサさんの影響力と創造性が、定番の観光地から知られざる名所までを新鮮な形で発信し、タイ国民の誇りを高めると共に訪問客の信頼感を醸成する、重要な役割を果たすと強調した。今回の取り組みは、タイを世界有数の観光立国として位置づける同庁の戦略に沿ったものだという。
TATによると、リサさんの観光大使就任が発表された昨年10月以降、国内では大きな反響が広がっている。交流サイト(SNS)では、彼女に訪れてほしい場所を紹介する投稿が相次ぎ、タイの魅力を発信しようとする国民的な盛り上がりが見られるという。TATはこうした声を企画内容に反映させ、文化の多様性や自然景観、暮らしに根ざした体験が伝わる構成を目指す。
リサさんの影響力が注目を集めたのは2021年、楽曲「LALISA」のミュージックビデオで、出身地の東北部ブリーラム県のパノムルン遺跡などが登場したことがきっかけという。公開後、遺跡の来訪者数は倍増し、カフェ、屋台、特産の肉団子店など、地元商店にも多くのファンが訪れた。
2024年には、バンコクで撮影された「Rockstar」のミュージックビデオが話題となり、ヤワラート(バンコク中華街)や閉館したオスカー劇場跡などの撮影地が一躍、観光スポットとなった。公開から6時間で再生回数が1000万回に達したとされ、ネット検索でも「ヤワラート」が急増、同界隈は「タイのハリウッド」と呼ばれるようになった。
さらに2025年には、南部スラーターニー県のサムイ島やプーケット県のヘー島など、沿岸部への訪問が増加。サムイ島では第2四半期の来訪者数が(TAT統計で)前年同期比51%増となった。
最近では、アユッタヤー(アユタヤ)の歴史的寺院を現代風のタイ衣装で訪れたことが注目された。寺院参拝時にタイ布を身に着ける新たな文化的潮流が生まれ、伝統工芸や地域観光の活性化にも寄与しているという。
TATはこうした実績を踏まえ、2026年の新キャンペーンでもリサさんを通じて文化、創造性、自然が融合したタイの魅力を発信していく方針。今後の活動により、「アメージング・タイランド」の理念を体現する世界水準の観光地としての評価が、さらに高まることを期待している。
●タイ政府観光庁、LISAを「アメージング・タイランド観光大使」に任命
インスタグラムlalalalisa_m




















