ウィークエンド・マーケット、テナントの退去拒否で再開発停滞 バンコク都庁が現地調査

【タイ】バンコク都庁(BMA)は、一向に解決に至らないウィークエンド・マーケット(チャトゥチャック市場)の一部露店の退去問題について、現地調査と協議を進めている。タイウット・カンケーオ都庁副事務次官が市場を訪れ、関係者とともに事業の進捗を確認した。

 10月10日の会議では、コロナ禍における家賃猶予措置の調整状況や、いわゆる「プロジェクト30」と呼ばれる景観改善計画の進展が報告された。同計画では、強い日差しや雨に耐え得る施設設計、美観の向上、収益性の確保を目指している。また、滞納家賃の法的回収体制や法務人員の増強も課題に挙げられた。

 最大の障害となっているのが529区画の露店。今年4月に契約更新が打ち切られたにもかかわらず、依然として退去に応じないテナントが多く、都庁市場事務局の通告を無視して営業を続ける例もある。一部は権利維持を主張して送金を続けるテナントもあるが、退去も支払いも拒むケースもあり、開発の妨げとなっている。ウィークエンド・マーケットのテナント料は、従来は毎月請求書を受け取る必要があったが、現在は市場事務局が導入しているバーコード決済や公式LINEを通じたBill Paymentが導入されている。

 ウィークエンド・マーケットには全体で計1万334区画が存在。常設店舗8966区画、「グリーン(美化)区画」529区画、植木販売区画839区画に分けられる。BMAは、未解決の退去問題を整理しつつ、景観改善と収益基盤の強化を進めたい考えを示した。

 トラブルが起きているのは、時計台周辺のセクション30の露店スペース。市場事務局は当初、「過去5年間テナント料が支払われずに都としての収入が皆無、用地は再開発される計画となった」とテナントに告げて契約更新を拒否した。

 これに対しテナント側は、指摘のあった2019年から2024年まで、月額1400バーツの賃料と500バーツの共益費を払っていたと反論。市場事務局による汚職の疑いがあるとして、計529店が中央行政裁判所に訴えを起こし、ペートーンターン・チナワット首相(当時)、チャチャート・シッティパン・バンコク都知事、タイ汚職取締委員会、タイ政府汚職防止委員会(PACC)などにも直訴した。

写真:バンコク都庁(BMA)

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