【タイ】バンコク都内の開放型動物園「サファリワールド」で9月10日午前11時頃、男性飼育員(58)がライオン数頭に襲われて重傷を負い、搬送先の病院で死亡が確認された。20年超のベテラン飼育員だった。
事故が起きたのは放し飼いになっている開放区画で、飼育員はライオンへの給餌のため、1人で立ち入って車のドアを開けて下り、背後からライオンに襲われた。現場に居合わせた来援客らが車のクラクションを鳴らして助けを呼んだが、同僚が駆け付けて救助するまで15分ほどかかっており、飼育員はそれまで複数のライオンに襲われ続けていたという。
一部メディアは、「来園客は車内から見ているしかなかった」と報じている。ただ、飼育員が搬送された病院からは、内臓は無傷だったという報告があり、ライオンは襲ったのではなく戯れていただけとの見方も出ている。開園以来の初めての出来事で、事故が起きた一帯は現在、立ち入りが禁止されている。
園の規則では、2人以上での行動が義務付けられ、車両からの下車が禁止されている。襲われた飼育員はライオンやトラの管理を担当していたが、本来は餌やりではなく、観察や環境点検を業務としていたという。園長は「勤務歴20年以上のベテランで、動物との接し方を熟知していた。なぜ1人で行動して車の外に出てしまったのか分からない」と話しているという。
写真:タイのメディアやSNSで広く拡散されている事故の画像